心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

【祐介サイド】


「先生」


「ん?」


石川が、ベッドの上に寝っ転がりながら俺を呼んだ。


「私ね」


「うん」


「家族、大好きだった」


「ああ」


「でもね、今はあの家がキライ。大キライ」


俺は石川のベッドに近づいて、カーテンを閉めた。


「どうしてカーテン閉めたの?」


「誰にも聞かれたくないだろ?」


「別に聞かれてもいいよ」


「じゃあ、開けるか?」


「ううん、閉めて。……泣いてる顔は、見られたくない」