そのとき、ウチも危ないって知った。


ニュースとかを見ていたから、何となくそうかなって思ってはいたけど。


でもまさか、自分の家にそれが迫っているなんて……。


信じたくなかった。


でも、信じなくちゃいけないって思った。


できるだけ、節約して。


この家のためにできることなら、何でもしようって、そのとき思った。


親は、決して私たちの前でお金の話はしない。


子供に心配かけないようにって。


でも私からしたら、話してくれた方が嬉しかった。


何か、隠し事をされているみたいでイヤだった。


日に日にケンカの声が大きくなっていき、夜になる度、心葉が泣きそうな顔になった。


心葉にそんな顔をしてほしくなくて。


ううん。


私が親の怒鳴り声や泣きそうな声を聞きたくなくて、心葉を連れて外に出るようになった。