「何ですか… 一体これはっ」



顔を歪め青ざめている雛菊は視線を目の前から隣にいる沖田に移す。



「えーっと…その、 男所帯なもんですから……その… 苦手と言いますか えー…」



珍しく歯切れが悪く 視線を泳がせている沖田。


沖田から視線を前に戻すと雛菊は疑問に思った事を口にする。



「…今までずっと〝この状態″で生活してきたんですか?」



雛菊の目の前には 何処もかしこもゴミ、ゴミ、ゴミの山で汚れて埋もれていた。


まさに 〝悲惨な状況〟



「当番制で行っていたのですが… 不器用な奴や隊務が忙しくなる時があって……  段々と疎かになってしまい… でも、月に何回かはちゃんとそう「月に何回か?」



説明する沖田の言葉に段々と顔が険しくなり言葉を遮る雛菊。



「この環境は良くないです!! 体に悪影響を与えますよ?!」


「…………面目ないです」



しゅんっと小さくなる沖田を見て雛菊はバンッと自分の胸を叩く。





「分かりました!!
一度任された以上  皆さんが快適に生活できるようあたしが家事を立派に務めさせていただきますっ!!!」




そう言うと雛菊はゴミだらけの部屋に足を踏み入れた。


一瞬呆気にとられた沖田だがすぐに自身も部屋に入る。
思わず笑みが零れた。


「私も手伝います」