「う~~ん いい天気♪」



雛菊はそう言うと背伸びをした。


ここは新撰組頓所の廊下。
まだ起床時間より早いせいか 周りは静かだ。



「準備万端っ なのは良いけど 台所って何処だろう…聞いとくの忘れてたんだよね」


さすがに起こすのも悪いしな~…





「……ひな……ぎくさん?
…………ですよね?」



うーん っと一人廊下で唸っていたら後ろから確認するかのように声をかけられる。

後ろを振り向くとそこには沖田がいた。



「あっ 沖田さん おはようございます♪
ちょうど良かった~ 台所って何処にあるんですか?」



笑顔で挨拶する雛菊に対して沖田は驚きを隠せない様子だった。



「おはようございます
あの… 本当に雛菊さんですよね?」


「はい そうですけど…
どうかしました?」



「髪の毛の色が昨日と違う気が……しまして」




確か昨日は 茶色かったはず
だが今の雛菊の色は……



「ああ! そうだった
茶色いところってないですよね? 全体的に〝黒〟ですよね?」



雛菊は 自分の髪の毛を触ると沖田によく見えるようにした。