「脇が甘いっ!!!!」

「やああ!!」

声を張り上げて指示を出している者、手合わせをしている者など、真剣に稽古をしている者達が多い。
ここは、道場だ。
普通と言えば普通なのだか…。



「なあ… 邪魔なんだが」


「ひっでー 俺何もしてねえのに」


道場に座り込んで、泣きまねをする この場にあまり相応しくない男。


「それが問題なんだよ! 何もしないなら出てけ!!」


「だって 暇なんだもん」


「だったら稽古しろ!! さっきから言ってるだろ?!!」


「じゃあ ぱっつあん相手しろよ」


「だーかーら 他にも相手いっぱいいるだろうが!!」



先程から同じ会話を何度も繰り返しているこの2人。周りにいる奴らもいい加減そのやり取りには呆れていた。


「だああ!!! 分かった分かった 相手してなるから ほらっ立て!!」


「最初っからそう言ってくれればいいのに」


そう文句を言いながら立ち上がる姿にイラッときたがこの際聞かなかった事にした。


「じゃあ 「「!!!!」」



突然、視界が眩しくなりざわめき出す周り。 何が何だか分からないまま、徐々に光が弱まっていった。

だが、周りは一点を見て目を真ん丸にし唖然としていた。
「…誰だ?こいつ」

「…土方さんなのか??」

「…副長じゃあねえだろ…多分」





周りにいる人達の視線は突然現れた1人の異人な青年に集中していたのだ――。