「腹…」
「ごしらえ…?
い、いやー… 今何もないと思うぞ?」
―――――今雛は台所にいねえが
斎藤を行かせたら何かしら勘づくな
そう考えている藤堂と永倉は目を泳がせ、歯切れの悪い二人を一瞥すると斎藤は台所の方へと歩き出す。
「女子(おなご)の件なら既に聞いている
別に気にしなくて良い」
「「えっ?!」」
「先程 山南さんに会い話を聞いた
…何をそんなに驚いた顔をしているんだ?」
ポカーンっと間抜けな顔をしてこちらを見ている藤堂と永倉に気付くと斎藤は、表情を変えず不思議そうに聞く。
「いや~…だってよ
そんなあっさり、だとは思わなくて…なあ?」
「ああ、 もっとこう…
眉間に」
そう言いながら永倉は自分の眉尻に指をあて上へと吊り上げた。
斎藤はその様子を眺め、ピクリと眉を動かす。
「…俺はそんな顔しない」
「「今思いっきりしてたぞっ!!」」
「……」
否定をしたが、思いきり二人に指摘された斎藤は腑に落ちない様子でスタスタと永倉と藤堂を置いて食堂に向かい始めた。
「えっ…!おいっ」
いきなり歩き出した斎藤に驚き、慌てて追いかける永倉と藤堂。
「そんな 拗ねんなよー
ってええっ?!」
「歩み早めんなって!
ちょっと待てよー!!」


