「どうでもいいけどさ、お前すげー格好してるよ」
ぽかん、と彼を見つめているとクスクスと笑われて、はっと意識が戻る。
はだけたシャツに捲りあげられたスカート。
髪の毛は乱れて…
「ちょ!見ないでよばかっ!」
恥ずかしくなって、そばにある毛布をかぶる。
今あたし、絶対耳まで真っ赤だよ。
そんなあたしの様子に彼はまた笑うと、あたしに近づきキスをした。
ほんの一瞬の出来事。
思考回路がストップって、
きっとこういうことをいうんだろう。
「なっ…」
「俺はバカじゃなくて唯。
一文字も当たってねーじゃん」
悪戯な笑顔を浮かべる彼に、何故
不覚にもドキドキしてしまったのかな。
心臓の音が聞こえるんじゃないかと思うくらい、うるさかった。
