車は一軒のアパートの前で止まった。
しゅうちゃんが、着いたよって声を掛けたのであたし達は車から降りる。
「誰の家なの?」
「唯」
あたしの問いに、しゅうちゃんは一言だけそう言うと、階段を登り始める。
ふーん、なんて気のない返事を返すと、しゅうちゃんが後ろを振り返りにんまり笑った。
「今日の飲み会、かなりいいやつばっかだからよ。
ほれんなよ~」
「惚れないよばか(笑」
「そんな簡単に惚れないし」
そんなやり取りを3人でしながら、しゅうちゃんが2階の一室のドアを開けた。
「ギャル2人追加~」
しゅうちゃんが叫ぶと、周りからおーっと歓声が上がる。
あたしはざっと見回して、里緒と顔を見合わせてウインクした。
今日はオール、のサイン。
それぐらい今日はレベルが高い人って事。
部屋のソファーに連れて来られて、飲まされること1時間。
もともとあまり酒は強くないあたしはいい感じに酔いがまわってくる。
里緒はと言えば、この部屋で一番かっこいい…ていうか里緒好みの稜くんと、甘いムードになっている。
いつもながら、手が早い。
今日の飲み会は6名。
あたしと里緒、しゅうちゃんとこの部屋の主の唯くん、稜くんと浩介くん。
3人は東高の3年生で、しゅうちゃんとよくクラブでつるんでるらしい。
ちょっぴり怖そうな雰囲気があるのもそのためかと納得出来る。
