私は岡田を優しくゆっくり離す。
少しでも岡田に触れたかった。


「………家まで送るよ」
「ありがとう」


家まで沈黙。
佐藤サンは私にはなれないや。


「……岡田、ありがと……じゃあね!」
「おうっ」


ガチャン―――


私はドアに寄っ掛かり、口を押さえた。


「っ………ぁ……んっ……」


岡田……岡田……
抱きしめてよ
もっと、もっと、強く
離さないで……


好きなの……
岡田が好きなの!!