ばたばたばたばた



私は階段を駆け上がっていた


勢い良く部屋のドアを開けて、自分の体を滑り込ませ、力いっぱい閉めた




ドキドキする


思考が全く追いつかない



「はぁはぁ、」


乱れた息が、熱い




「…なっちゃん?」



はっとして顔を上げる


「き、いち」



部屋の中から、眠たそうに目をこすりながらこちらを見ている



ぱたぱたと喜一に駆け寄り、頭を撫でてやる


「ごめん。起こしちゃった?」