それから
駆け抜けるように時間は過ぎ、気づけば放課後


「―――で、明日は朝礼があるから、遅れないように――」



先生の連絡を聞きながら、ちらりと時計に目をやった


これは癖だと思う


前任の佐山先生は話が長いことで有名だったから


連絡事項はさっさと終わらせて、家族の話を延々とするのだ


長男の翔くんがトマトを食べれるようになっただの、

旦那さんが誕生日に花束を買ってきてくれただの、


って、それはもう!幸せそーーーに教えてくれるから、うちのクラスの人たちは止めることができないのだった