コンビニに行く途中だった

月が明るかったから、いつもは暗くて使わない道を通ってみたあの日



あの人に会った



名前も知らない
誰なのかも分からない

だけど、今でもまだ、まぶたの裏に焼き付いている


悲しい顔をしていた彼



「あの、」


どうしたんですか
と尋ねようとして、すぐに口をつぐんだ




彼は、泣いていたのだ