「えっと、」


思い出す


彼の切れ長の目を

細くて綺麗な指を

はちみつ色の髪を

甘い甘いバリトンの声を




ただそれだけで

私の胸がきゅんとするの



「その人は…」


意を決して、話しだそうとした、その時、



ガラガラガラ


チャイムの音と共に、先生が教室に入ってきた