生きることに執着がないように見える少女、サエキ。
どうせ死ぬなら他にはない死に方がいい、そんな考えの彼女が出会ったのは、自殺志願者が集まる掲示板に現れた、カナタという少年だった。

カナタは海、サエキは空。
掴み所のないお互いを、そう称した二人。

綺麗で変わった死に方を探していたはずなのに……。
お互いの本心や傷に触れるうち、生への執着が沸いてくる、そしてそれにどうしようもなく戸惑う二人。
不器用な求め合い方しかできない彼らに突き付けられたのは、カナタの抱える大きな秘密だった――。



海の見える、寂れかけた北の街。
そこで淡々と流れる、傷を舐め合う恋の物語。