私がヒールをぬいだ時

雨の勢いは凄かった


風もでてきて、台風のよう。まるで一気に夕暮れがきたように周りは暗い

『ひかる!俺の車乗れ!濡れても大丈夫やから』


私は言うがままに、新伍の車に乗った


『凄い…ゲリラ豪雨やね…』


『ほら、このタオル使えや』


『ありがとう…でも汗くさい』と私は笑った


『仕方ないやろ』


私は頭を拭いて、腕やシャツを拭いた


『はい、ありがとう』と新伍に渡すと、彼も頭を拭き始めた


そのうちカミナリもなりだし、ひどい雨になった。前も見えないくらいだ


『中々やまへんね?』


『そやな…』


なんとなく沈黙が続いた

新伍がいきなり私を抱き寄せた


『どうしたん!』


そのあとは激しく私の唇を求めてきた


私はそれに応じて舌を絡ませる


長く激しいキスであった


なんども離れてはまた始まる…それは雨が止むまで続いた


『ごめん…』


『ええよ…』


『いやちごたか?』


私は首を横に振った


『いややなかった…』


『なんで?』


『わからへんけど…』


『可愛いおもた…』


『あのな…こんなんあっても…普通にしててな…気まずくなるんいややから。私も女やから悪い気はしてへん…』


『うん』


『じゃあ、私帰るわ…雨止んだし』


そういって私は車を走らせた


心臓が爆発しそうだった


こんな激しいキス、したことない


新伍、どういうつもりなんだろう


私の心は微妙に新伍に傾いていった