そんな状況を自分の中で理解した時には
もう恥ずかしいんだか
嬉しいんだか
よく分からなくて混乱していて上手く言葉が出なくて
とりあえず、顔は燃えるように熱かった
「よく転ぶ子なんだね。怪我なかった?」
またあの爽やかな優しい笑顔であたしを打ち抜く
先輩はあたしの頭をぽんぽんっと撫でてもう一度にっこりと笑った
「だだだだいじょぶです。ごめごめごめんなしゃい」
なんだかわけが分からなくてかみかみなあたし
「ならよかった」
そう言い先輩は床に置いた鞄を持つ
このとき、本当に本当に、今しかないと思った
「先輩、あたしの名前は風波柚子葉です。アドレス教えてください!!」
そう深くお辞儀をして、携帯を差し出した

