俺がそんな質問をするとあいつのニヤニヤした口元は口角が下がり、眉を潜めた
「小野崎・・大丈夫?」
そう俺を心配そうな目で覗き込む
「何がだよ。質問してんだから答えろよ」
そう睨むとあいつの口角はまたきゅっと上がる
「まさかあの、チャラ男のあんたからそんな質問されるとは・・。小野崎・・もしかしてほんとに恋したことないの?」
そう首を傾げるあいつ
俺はもう一度目を反らす
「あ〜、だから、それがわかんねえから聞いてんだよ。」
机にひじをつき、あいつと逆方向へと体を向けた
そんな俺の姿を見てあいつはクスクスと笑う
「意外とかわいいのね?ねえ、小野崎?」
「あ?」
「柚子葉のこと見て?」
何となくそんな言葉にドキッとしている自分
「ほら、早く!」
そう言って俺の制服をつまみ、引っ張る
顔が熱い
でも嫌々俺はあいつの方へ体を向けた
「恋するとね・・柚子葉みたいになるんだよ?」

