しばらくした後俺達は教室へ戻った
まだ皆ガヤガヤとグループごとに固まっていて席に着く様子はない
俺は教室に入った瞬間あいつの姿が目に入った
あいつは遠くから見ていてもわかるくらい上機嫌
まるであいつの回りだけ花が舞っているかのように
「じゃ、奏!頑張れよな」
そう俺の耳元で囁くと大和は席へ戻っていった
頑張れって何がだよ
そんなことを思いながらも俺も席へ着く
俺が席に着くと待ってましたと言わんばかりに俺の方へとパッと体を向けた
「小野崎?!やっぱ高校生活って素敵よね?」
そう不気味な程柔らかい笑顔を向けるあいつ
「別に」
そう一言で返してもあいつの微笑みはおさまらない
「やっぱり恋って素晴らしいと思わない?柚子葉、この高校入ってほんとよかった」
そう満面の笑顔で言われてなんだかしんないけど俺がなんとなく嬉しくなった

