「なんかこういうところ来るの初めてだからちょっと緊張しちゃうな…」






また嘘
毎週のように来てんじゃねえの??
同じ手を使って






俺はベットに腰かけ、少し離れたところにチョコンと座っている女を横目で見た






「おまえさ、俺のどこがいいの??顔??」





そんな言葉に女は首を横に振る




「確かに顔もかっこいいけど、それだけじゃないよ??落ちついてるところとか、男らしいところとか、ほんとは優しいところとか」






女の言葉に虫唾が走る
今日初めて離したのにほんとは優しいって
バカじゃねえの?






どいつもこいつもいつもそうだ
嘘ばっかならべて
俺のことなんて何も知らねえくせに
何も見ようとしないくせに




誰だってそうだ俺の顔しか見ていない





そんな時ふとあいつのことを思い出す
俺の顔以外にいいところがないと言い切ったあいつのことを思い出し思わず笑ってしまった







そうまた思い出したくもないのに浮かんでしまったあいつの笑顔
そして最後に見た困った顔
後姿






イライラが襲ってくる
想像したくもねえのに兄貴とあいつが部屋に一緒にいるところを
思ってしまう





俺は隣にいる女のことを思い切り押し倒しキスをした





「そう、ン、、くん、、、はぁ、、、」





あいつと兄貴の姿を無理矢理頭から消すように
俺は俺は
嫌いな女を抱いた





何度キスしても
体を重ねても
消えない





何でだよ
消えろよ






俺の中から消えてくれ