*ビターチョコレート*

「おい!!てめえ話聞いてんのかよ??」






そんな言葉にはっと我に返る




「へ??あ、ごめんごめん!!なんだっけ??」






私は小野崎のほうに顔を向ける




「ったく、何があったか知らねえけどほんと迷惑なんだけど。修学旅行の話だろ??いい加減にしろよ??」






かなりイラついている様子の小野崎






「あぁ、そうだった!!グループはやっぱ自由でいいんじゃないかな??バスの席も!!やっぱその方がみんな楽しめるだろうし!!」






あの先輩のキスから私はずっと上の空
時間が止まっているようだった





周りの声も
聞こえないし




光景も目に入らない





ただ
あの唇の感触と
先輩の匂い




それだけが今でも残っている







そして今は放課後
委員会の仕事中





小野崎はだるそうに私を睨み、ため息をつく





「何かあったわけ??」




少し目を反らしながら呟く小野崎





そんな問いで私はあの時のことをまた思いだす
一気に顔が熱くなる





そんな私を見て小野崎は何だか面白くなさそうな顔をし、手を伸ばす






そして私の耳にそっと触れる