「な、なにするのよ!?」

「なぁ・・・、そんなに俺のこと嫌い?」


っ・・・


雰囲気が一変。

少し切なそうな目。

最早、反則技だ。



“嫌い”


そんなことは1度も思ったことはない。

別れたときも、陰口を叩かれたときも涙は流したけど嫌いとは思えなかった。


ただ・・・



「もう、関わりたくないの…」



身勝手だと思う。

ひどい女だと思う。


それでも、もう福野とは関わりたくない--



「ごめん・・・」

福野を手を振り払い、わざと人ごみの中に入って行った。



「麻衣っ!」