美奈と自転車をしばらく扱ぐこと10分。
私たちが3年間生活する星嵐高校が見えてきた。
「優貴、やっとだよ!!」
私たちは星高の駐輪場に自転車を置く。
駐輪場の近くには大きな桜の木があって、
風に揺られるたびにひらひらとキレイに花が舞っていた。
「優貴、クラス見に行こう?なんだかドキドキしちゃうよ…」
美奈の気持ちも分かる。
なんでだろうね。
中学の初日ではなんとも思わなかったのに…
今日はなんだかドキドキする。
きっと私の心は知ってたのかな?
今日、聖に出会うのが私の希望の道導だってことが。
「クラス表、桜の木の向こうにあるって!」
美奈の声が大きくてよかったかも。
だってすごい色んな声が聞えてくる。
校門に入る前からすごいたくさんの声が聞えてたもん。
美奈は私にそういうと桜の木の向こう側に行った。
私も後を追うように行こうとするけど、
その時誰かにぶつかってしりもちついた。
私はすぐに立ってぶつかった人を見る。
それが聖、あなただった。
あなたが何かを言う前に私は頭を下げて走って美奈のもとへ向かった。
「優貴、どこ行ってたの??」
私はパンパンと砂のついたスカートを叩くのと同時にその動作で美奈に状況を知らせた。
「しりもちついたのね?クラスはもう見つけたからここじゃ他の人の邪魔になっちゃうかもしれないし校舎に入ろ?」
美奈、あの短時間でクラス見つけるとかすごいかも。
しかも、周りがすごいぎゅうぎゅうだよ?
美奈のとこに行くのも大変だったのに抜け出すのはもっと大変だった。