流れ星のカケラ【完】


外に出ると曇った心とは裏腹に
満点の星空。

お母さん達が生きてたら今頃一緒に楽しく過ごしてるのかな。

時間、過ぎるの早いよね。
卒業式から帰ってきたのは15時。
チラッと見えた坂木さんの腕時計は18時。

『優貴ちゃん、車に乗ってもらえるかな?』

コクンと頷き車に乗る。

車に乗ってシートベルトをし終わった私は車の窓から星空を見上げる。

私の心もこんなにキレイだったらいいのに…。

お母さん達は今この星空にいるの?

車が走り出したら、突然流れ星が現れた。

お母さん?お父さん?

違うと分かっているけどそう思ってしまう。

(お母さん達が空でも幸せに暮らせますように)

そう流れ星に願いを込める。

願いを込め終わると、また1つ、2つ…とたくさんの流れ星が流れてきた。

それと平行に私の涙も流れる。

まるで、私の涙が流れ星と同じように…。

流れ星がたくさん流れている中で私の涙も流れる。

悲しみが一気に溢れてくる。

嗚咽を出そうとしてもやっぱり出ない。

流れ星って見れば幸せになれると思ってた。

それなのに今は流れ星を見ると悲しみで心が包まれる。