流れ星のカケラ【完】


『優貴ちゃん、俺についてきてもらえるかな。』

坂木さんは私を警察署に連れてって色々聞くつもりなのかな。

コクンと頷く私に坂木さんは

『ありがとう』と言って一旦警察の人のところに戻っていく。

「優貴ちゃん、私も行こうか?」

(美奈ママ、ありがとう。でも、美奈ママには美奈がいるし大丈夫です。)

首を横に振って断る。

「本当に大丈夫?」

うんと返事をするために今度は首を縦に振る。

美奈は今も寝室の前にいる。
多分、内容についてはもう理解していると思うけど、
美奈ママの言いつけを守って入ってこない。

私だったら怖くて入ってきてしまう。

入らなかったとしても、

誰かが一緒にいなきゃ泣きたくなる。

そんな思いをしていると美奈は思うし…

だから美奈ママに私は遠慮をする。

『優貴ちゃん、行こうか?』

坂木さんが私を呼ぶ。

私は美奈ママに一礼して寝室の方に向かう。

一回、寝室の方を見渡すといろんな人が調べていたりしている。

絶対に犯人を捜すから…。

そう思いながら寝室のドアに近づく。

ドアの近くに美奈が座り込んでいた。

私の存在に気づいたのか

スッと美奈が立つ。

「優貴…。」

美奈の頬には涙がある。

(美奈、私大丈夫だから。)

そう思いを込めて精一杯の笑顔をして手を振り私は坂木さんと一緒に外に出た。