「…それでは失礼します。」
北原先生はどこかへ去っていった。
「…亜美さんって…どんな人なんだろ…?」
「……っ」
みきは涙目だった。
「葉月にとって大切な人なの?」
「……かりんっ…ごめんね…!!」
タタタ…
「…みきっ…」
他に行くところもないので葉月の病室に行った。
「亜美?どうしたの?」
「…葉月…あたしは、亜美さんは葉月にとってどんな人?」
「どんな…って。すごく、すごく大切な人だよ」
「あたしのこと好き…?」
「当たり前だろ!いまさら何を言ってんの?」
「…っそっか」
亜美さんは葉月にとってすごく大切な人で、
夏鈴は忘れられるほどどうでもよくて。
「ねぇ、夏鈴って子知ってる?」
「誰?」
〝誰?〟
〝誰?〟
「誰…ってあたしよぉ!葉月っ!!あたしは亜美じゃないの!夏鈴なのぉっ…」
あたしは泣き崩れた。
「…何言ってるの?亜美」
「だからぁッ…っ…あたしがっ…っく…夏鈴なの…っく」
ところどころ声が裏返って変な声になったけど、あたしは懸命に伝えた。
「ねっ…亜美さんは…葉月のっ…大切な人はっ…亡くなったんでしょ?」
それを聞いた瞬間葉月の顔が真っ青になった。
「亜美…亜美……」


