黒いペンで 「ばーか 笑い物になっても 葉月さまが助けてくれなくて残念だね」 と書いてあった。 どうやら定規を使ってささっと書いたらしくカクカクでぐちゃぐちゃ文字だ。 「……」 こわごわと後ろを振り返った。 女子がみんなにやりと笑ってあたしに手を振った。 それがとてつもなく怖い。 「…っ」 あたしはひきつった笑みを浮かべて、手を振り返した。 「…」 怖い 初めて、みんなを、人を怖いと思った。