あたし、夏川夏鈴(なつかわかりん)には忘れられない人がいる。 好きだった。 ただ純粋に、 〝あの子〟のことが好きだった。 今となっては顔も思い出せない。 たまに夢で見るぐらい。 会いたい。 〝あの子〟に会いたい―――。