「ごめん、あゆ……」

「いいよ。大丈夫、歩けそう?」

「うん」


そう言って、歩美の手を借りながら花音は立ち上がった。


―だめだ。やっぱり発作治ってない……。
最近なかったのに。


「花音顔色悪いよ。今日はもう帰った方がいいって」

「えぇ~、アイスぅ……」


歩美の言葉に、拗ねて子どもみたいに言うと


「また今度遊ぶ時におごってあげるから、今日は休みなさい」

「……は~い」


しぶしぶと了解し、歩美と校門を出た所で別れた。

本当はあまり家に帰りたくないんだけど。

行く宛もないので、仕方なく家への帰路についた。