「3人?」


自分で思って、自分で言葉にしたことに疑問をもつ。


―えっ、何今の?




何の違和感もなく、流れ込んできた誰かの存在。


私とお兄ちゃんと……もう1人は?






思い出の中には、お兄ちゃんしかいない。

だけど……

後もう1人、誰かを私は忘れてるの?



「あっ」


もしかして……










「はるかくん……?」





風は答えることはなく、ただ髪をいたずらに掻き乱していった。