ふと気がつくと、私は公園にいた。

記憶にはないのに、不思議とここに来たことがある。

漠然と感じる既視感。


[花音、一緒に遊ぼう!]


ふいに自分の名前の呼ばれた方へ振り向くと、一人男の子が立っていた。

けど、不思議なことに顔から上だけがどうしても見えない。


[……くんっ!]


そう男の子の名前を呼ぶ私の声はどこか頼りなくて
気づくと、自分の両手は幼い子どもの手になっていた。


[ほら、花音早く来いって]

[待って……くん!]


その男の子の名前を知ってるはずなのに、何故か声には出来ない。

それでもその男の子の方へと走るのに、それとは逆に距離はどんどん遠ざかっていくばかり。


[もう、花音置いてくぞぉ?]

[……くん、やだっ!
いかないで――]


待って、



はるかくん――