空唄 ~君に贈る愛のうた~

疑問は消えないけど、今はなんとなくどうでもいい気もしていた。

今は、まだ。


「あっ!てか、もう6:00?!
私帰らなきゃ……」


心配性な親なので、何も言わずこんな時間まで帰らないと
帰った後が大変だ。


「ごめん、遥。私帰るね」

「いいよ。あっ、でもちょっと待って!」

「んっ、どした?」

「さっき言いかけたこと、言わせて?」

「うん、どーぞ?」


促すと、遥はきれいなほどの笑顔でこう言った。


「花音は笑ってる時が、一番可愛いよ」

「へっ……」


あまりに突然そんなことを言われたので、花音の顔がみるみる赤くなっていく。


「あ、ありがと……」

「んっ、どういたしまして」


お礼を言うと、遥は屈託のない笑顔でこたえた。