空唄 ~君に贈る愛のうた~

「私、今……声に」

「出てた」


嘘であってほしいと願いをこめて言った言葉を、遥はばっさりと斬りつけた。

そして、意地悪そうににやっと笑うと


「かっこいい、ねぇ……」

「違っ!そおゆう訳じゃなくて」

「へぇ~じゃあ、どおゆう意味?」

「それは……」


何も言えないそんな花音をみて
不敵に笑いながら、遥は右手を花音の頬へと近づける。

やばい、このままじゃ


―呪われる!


しかし、体は硬直してやっぱり動かず


「もう時間切れ」


遥の言葉で、開けていた目をぎゅっと閉じる。


―もう無理だ……!


そう思った次の瞬間