空唄 ~君に贈る愛のうた~

いつの間にか遥は花音のすぐ手前まで移動し、ずいっと顔を近づけてきた。

後、20センチぐらいの位置。


「あはっ、近いね」


びっくりして動くことが出来ず、おどけてそう言う遥の顔を直視する。

あれ?なんか……


―かっこいい……


今きちんと遥のことをみると、サラサラした黒髪が白い肌にかかり
その間から除く灰色の目は、女の子の花音でも憧れるようなぱっちりしたきれいな目だった。

こんなかっこいい人、現実にいたんだ……


「って、何言ってんの!」

「はい?」


突然大きな声を出して言う花音に、遥は裏返った声で反応する。

でも、そんなのお構い無しに花音は続けた。


「かっこいいとか絶対ないしっ、第一人間じゃないしっ!
も~、何考えてんの自分!」


そこまで言って、はっと気づいた。