空唄 ~君に贈る愛のうた~

「ゆ……幽霊?」


恐る恐る問いかける。

すると、遥は不気味なくらいににっこり笑って


「そのとーり♪
幽霊だよ」


その言葉を聞いた次の瞬間


「きゃーーーっ!」


花音は大声で叫び後退りしたが、すぐに壁にぶち当たってしまった。


「……そーんな反応、傷つくんだけど?(苦笑)
幽霊だって心はあるんだよ?」


遥は悲しそうに言うと、少しずつこちらへ歩いてきた。

いや、正確には歩いてきたとは言えないが。


「い、いやぁ……!」


泣きそうになるのを堪えて、花音は壁に沿って逃げる。

走って逃げれればいいのだけど、力が抜けてそんなことが出来なくなっていた。


「もうっ、なんでこんな夏の昼間から幽霊がっ!」

「だーかーらー
ほんと傷つくんだって」

「っ?!」