空唄 ~君に贈る愛のうた~

商店街を抜けて行き着いたのは、閑静な住宅街。

近くにある公園では、小さな子ども達が砂場や遊具で遊び
母親達は世間話に花をさかせている。

そんな場所の近くに流れる川。

そこが花音の目的地だった。

土手から階段をおりて、大小様々な石に足をのせる。


「いつもの場所っと」


こちらと、向かい側を繋ぐ橋の下。


「ここが一番いいんだよなぁ~、歌うの」


ちょうど、どこからもいい具合に隠れてて
上を通る車の音で自分の耳以外には届かない。

ずっとこんな場所を探してて、高校に入って見つけた。




私の大切な、





思いっきり歌える場所。