空唄 ~君に贈る愛のうた~

その後、三人で話をして時計に目を向けると時刻は『15:30』過ぎになっていた。


「15:30かぁ……ん~、そろそろ帰ろうかなっ」

「えっ、もう帰るのか?」

「うん、寄りたいとこあるし」


そう言って飲みかけのコーヒーを全部飲み干し、鞄の整理をする。


「出来たっ、おじゃましました~」

「おう!花音、明日からバイトよろしくな。詳しいこと夜電話するから」

「わかった」

「じゃあ、花音ちゃん。気をつけて帰るんだよ」

「はーい」


二人に手を振り、勢いよくドアを開けて外に出る。

夏の日差しは相変わらず花音の気力を奪う。


「よしっ」


と、気合いを入れてその場を後にした。