「遥……?」


うれしくて、うれしくて。

夢みたいで、でも夢じゃなくて。

ぎゅっとほっぺたを摘まむと当たり前に痛くて、


「痛い……」


「あはっ、何してんの」


屈託のない笑顔で、あの笑顔で

微笑みかけてくれる君がいることは、紛れもない現実で。


「んーっと……。久しぶり」

「あっ、うん。久しぶり」


気が抜けるような再会の挨拶が可笑しくて、お互いに顔を見合わせて笑う。


すると、君はどこか恥ずかしそうに笑ってこう言った。


「ただいま」









1年前の夏に出会って、恋をした。

でも、君は手の届かない人になっちゃって。

けれど、

1年後の夏にまた、こうして出会えた。



空にずっと君を描いてた。

何故かはわからないけど、また会える気がしてたから。


だから、こう言うんだ。







「おかえりっ!」