「はい、いつものはちみつれもん」


ことっと、花音の目の前に一誠が黄色い液体が入ったコップを置いた。


「ありがとう」


と、お礼を言ってストローに口をつける。


「ん~、おいしぃ♪」

「ほんっと、それ好きだよなぁ。小さい頃からここで飲むのそれだけだろ」

「うん、大好き」


そう言って飲んでると、自然と顔が歪んでたらしく


「ガキだな~」


と一誠が、楽しそうに笑いながら花音の頭をくしゃくしゃと撫でた。

なんで好きかなんて、実はよくわからない。

味が好き。

それもあるけど、なんかそれだけじゃない気がする。

自分のことなのに、よくわからないって。


―変なの……