空唄 ~君に贈る愛のうた~

すると、ふたりは互いに顔を見合わせて


「実は、きのうから」


一誠がこれ以上ないって程のとびっきりの笑顔で言った。


「ほんとにっ?!おめでとーっ!!」


それが自分のことのようにうれしくて。

ついつい大きな声をあげてしまった。


「花音うるさい」


一誠に若干呆れたように言われ、頬をぷぅーっと膨らませる。


「だってうれしかったんだもーん。よかったね、いっちゃん」

「そっか。
花音、ありがとな」


照れくさそうに笑う一誠は、花音が今まで見てきた中で
いちばんしあわせそうに見えた。


「って、ことは
香織ちゃんもいっちゃんのこと好きだったの?」


「うん、実は……」


頬を赤らめて香織は頷いた。


「……ほんとよかったね」


ひとつの恋が生まれる瞬間はこんなにもすてきなことで。

しあわせな気持ちになるんだってことを、はじめて知った。



―どうか、2人の愛が永く続きますように……


目を合わせて笑いあう2人をみて、ただただこの愛の永遠を願った。