ちりんちりん……


店のドアが開く音がした。

ギターを倒れないように立て掛けてから、ドアに目を向ける。


「あっ、いらっしゃいませ……って香織ちゃん?」

「こんにちは、花音。一誠くんいる?」


香織はきれいな髪を巻いていて、いつもよりかわいく見えた。


「いっちゃん?いるよ~。いっちゃーんっ!!」

「おーっ、ちょっと待って」


段ボールを持って奥から出てきた一誠は、香織を見た途端顔を赤くした。


「よ、ようっ。香織」

「あっ、一誠くん。遊びに来ちゃった」


えへへ、と笑う香織はやっぱりかわいくて
花音でさえみとれてしまう程だった。


「おぉ、いらっしゃい。何か飲む?」

「じゃあ、アイスコーヒー」

「わかった」


やさしい笑顔ではなしかける一誠を見て、顔を赤くする香織。


「んっ?」


これは、もしかして……



もしかすると、





「ふたり付き合いはじめた?」