あと何回か悲鳴が聞こえた後、美里が出
てきた。

「あ、あんまり怖くなかったよ」

 ウソ言ったよ美里。

「悲鳴が何回も聞こえましたよ」

 光ちゃんがそう言うと美里は動揺した。

「き、気のせいだよ」

「美里にも苦手なものがあったんだね」

「だから小さい頃お化け屋敷に入りたがら
なかったんですね」

 美里が可愛く見えた。もともと可愛いけ
どね。

「そ、そーよ。あたし怖いの苦手なの!」

 開き直ったよ。

 そんな美里が可愛くて、おもしろかった。

「あははっ」

「みやび笑うな」

「ごめん、ごめん。美里が可愛くてつい」

「褒められてんのに何故かそんな気しない
のはなぜ?」

 美里はそう言いあたしを睨んだ。

 でも何故かこわくなかった。

「あのーとりあえず入ってくれませんか?」

「あっ・・・」

 あたし達はゆっくり後ろを振り返った。

 そこには早く入れという目でみんなが見
ていた。

「すみませんでした」

 あたしはみんなに謝って光君と一緒にお
化け屋敷の中へ入った。