「えへへー…、私の片思いの人には彼女いたみたい」 髪をくしゃくしゃに掻きながら言った。 すると、唯ちゃんが 「それって、うちのせい?」 と、聞いてきた。 驚きの質問。 私が呆然と黙っていると 唯ちゃんがまた口を開いた。 「歩、康助のこと好きみたいだから」 うん。好きだよ、 今も大好き。 でもね?――― 「違うよー! 康助はただの幼なじみだからさ」 ―――本当のこと言えないのが私なの。