私は驚きすぎて、ただ呆然とその場に立ち尽くした。 「歩ー?まだぁー??」 外から唯ちゃんの声がして、我に返った。 私が唯ちゃんのエナメルバッグを漁ると奥の奥に小さなポーチがあった。 そのポーチから、私は日焼け止めを出して、元来た道を辿った。 「遅くなってごめん……」 そう言いながら私は日焼け止めを唯ちゃんに手渡した。 「よし、ありがと」 満足そうに言うと、体に塗り始めた。