歩がステージ裏に戻ってきて大きな背伸びをした。 制服のスカートが上にあがる。 俺は、そんなところに目が行ってしまっていた。 歩の脚 ―― 歩が小さく 「緊張した」と呟いた。 俺はその瞬間に 歩の脚から目を離して 苦し紛れに 「お前、緊張しすぎ」 と言った。 歩は鈍感だから、 俺の動揺になんて気付かず 開き直ってガッツポーズをしてくれた。 その時の歩は、いつにも増してかわいかった。