「はぁあ!?まじで言ってんの!?」


次の日、朝から響くのは加奈子の奇声。


「何だよ。文句あんのか?」


慶太がキッと加奈子を睨む。


「笑美!!引き返すなら今よ!!」


ガシガシと肩を大きく揺すぶられ、少し目が回った…。

加奈子、力強過ぎだし。


「だからそれ、どういう意味だよ」


ふて腐れ気味の慶太を、横から見てるとちょっと面白い。


「ふふ…大丈夫だよ。慶太が意外といい奴なのは、加奈子も知ってるでしょ?」


「それはそうだけど…慶太の長い片想いが実ったっていうのは、ある意味ショックなんだよねー」


「長い…?」


今、長い片想いって言った?


「ば、バカ!!余計なこと言うな!!だから加奈子には話したくなかったんだっ」


急に慌てる慶太。

コロコロ変わる表情は、やっぱり面白い…見てて飽きないかも。


加奈子も何だかんだ言いながら、あたし達が付き合うことを喜んでくれてるみたいだった。