夜、あたしはテスト勉強に力を入れてた。

テスト前ぐらい勉強しないと、あたしの夏休みはこない…!!


「♪♪♪♪」


ん?電話?誰?


シャーペンを机に置いて、代わりに携帯を持つ。

ディスプレイに表示されてる名前を見た瞬間、ドクドクと脈を打ち始めた。


通話ボタンを押して、ゆっくり耳に近付ける。


「もしもし…?」


『あ、笑美?龍也だけど』


ただ声を聞いただけなのに…ヤバイよ。

好きって気持ちが溢れそうになる。


「うん。どうしたの?」


『今大丈夫?つか、今から会えない?』


「今から!?」


急いで部屋の時計を確認すると、日付が変わろうとしてた。


『やっぱ無理?ダメならいいけど』


「行く!!でも、どこ行くの?」


『さあ?とりあえずこれから迎えに行くな』