『笑美がアイツを好きでもいいって、俺言ったよな?笑美になら利用されてもいい』


「慶太…」


『好きなんだよ…、離れるなんて言うな』


慶太は優し過ぎるよ。

あたしなんかのために、慶太が犠牲にならないで…。


『アイツが笑美のことを好きになるまでだっていい。一緒にいたい』


あたしだって慶太のことは好き。

でもね、好きの種類が慶太とは違う。


「……無理だよ」


『何が無理なんだよ!!好きになった俺が負けなんだ。笑美の力に少しでもなれるなら、俺はそれでいいから』


違う…慶太、それは違う。


「もう慶太の優しさには甘えられない」


今日龍くんといて、気付いたんだよ。


龍くんと由宇ちゃんを見て、いつか龍くんと家族をつくりたいなって思った。

叶うわけない夢だってのも分かってる。


でも、未来を想像したんだ。