「もしもーし!!」


『んだよ、そのテンションうぜー』


「今日ね、龍くんと花火行ってきた」


『……だからテンション高ぇの?』


夜、あたしは慶太に電話した。

どうしても話をしたくて。


「ううん、テンションは関係ない。でも…慶太に話がある」


どうしても話を聞いて欲しくて。


『すげぇ嫌な予感すんだけど?』


「明日会える?」


あたしは無理にテンション高めに話す。

無理矢理こうしてないと、決意が揺らぎそうだから。


『会わない。何?今話せば?』


「……会ってちゃんと伝えたい」


『嫌。俺は別れたくない』


慶太って何でこう勘がいいんだろ?


またあたしの中で、逃げたい気持ちが動き出す。