「よし、分かった。笑美これ持ってて」


あたしに食べかけのかき氷を渡して、グイッと女の子を抱き上げた。

4、5歳ぐらいの小さな体を軽々と抱っこして、ニッと女の子に笑いかける。


「一緒にパパ探そうか」


その瞬間、ピタッと泣くのを止めた女の子。


「うんっ♪」


さっきまでの顔が嘘のようにキラキラと輝いた。

それを見て、あたしも少しホッとした。


「どこではぐれたか分かる?」


「うんとね、パパに苺飴買ってもらってたらね、大きな音がしてね、花火が始まったの」


二人の様子を見てると、本当に親子みたいで、ちょっとおかしい。


「でね、よく見えなかったからね、由宇一人で歩いて、パパいなくなったの」


うーんと…つまり、苺飴買ってたとこまでは一緒だったってこと?


「じゃあ、その苺飴のとこまで戻ってみようか」