「♪♪♪♪」


部屋に入るなり、ベットに倒れ込んだあたし。

さっきから、携帯の着信音が響いてる。

慶太かな…?


正直、今は電話になんか出たくなかったけど、慶太にまで迷惑かけるわけにはいかない。

重い体を起こして、通話ボタンを押す。


「もしもし?」


『……出るの遅っせぇよ』


携帯からは、やっぱりいつもよりも機嫌の悪そうな慶太の声。


「ごめん、親と話してたから」


適当に答えて、今の気持ちをごまかす。


『…………』


「慶太?」


『……ったか』


「え?何?聞こえないよ」


声が小さ過ぎて聞こえないから聞き返すと、一言だけ叫んで電話を切った。


『……今から行くから!!』


ブチッ